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台北の八徳路電気街でPCパーツを買った

台北の八徳路電気街でPCパーツを買った

旅行で台湾に行ったのだが、台湾といえばやはりPCパーツメーカーの宝庫ということで安く買えないかなと調べていると、そういう系の街がちゃんとあった。

場所は台北の八徳路電気街。MRTの忠孝新生駅が最寄りで、台北駅からも数駅なのでかなりアクセスが良い場所だ。

このあたりは

  • 三創生活園区:ヨドバシAkibaを小さくした感じの、家電量販店的なビル。
  • 光華商場:昔のラジオ会館みたいなビル。三創と比べるとよりディープ。
  • 八徳路電気街:2つのビルの南側エリアで、小さな電気屋さんが所狭しと並んでいる。

の大きく3つの買い物エリアがある。

左が三創生活園区、右が光華商場

三創生活園区

最も観光客向けなのは三創生活園区。ちょうど秋葉原でいうとビックカメラくらいのサイズ感の建物の中に、台湾メーカーを中心とする様々なPCパーツメーカーや家電メーカーのコーナーが並べられている。

各コーナーには店員はいるものの、積極的に声をかけてきたりするわけではないので、自分のように店員に声をかけられると逃げたくなる属性の人間には非常に安心感がある。

低層階にはASUS(ROGは単体で1Fに1つのコーナーがある)やロジクール(Logitech)、MSI、Asrock、など日本でもよく名前を聞くようなPCパーツ・周辺機器メーカーが入っており、アキバのビックカメラやヨドバシよりもよりゲーミングPCや周辺機器の品揃えは豊富に感じる。

とはいえ、PCは単体でも高価なものではあるので、気軽に買うのは難しい。フロア中央にはカバンやちょっとしたインテリア雑貨などもあり、むしろお土産程度に買っていくのであればこのあたりを見るほうが楽しいかもしれない。

4Fくらいから上は家電やVR製品、あとはアニメなどのキャラグッズの店舗が入っており、こちらも好きな人には刺さるものがあるのではないかと思う。(残念ながら私はあまりこのフロアはちゃんと見ておらず、詳細は省かせてもらう。)

最上階には焼肉やカフェなどの飲食店が数軒入っており、地下にはフードコード形式で飲食ができる場所がある。昼食に最上階のカフェでパスタを食べたが、結構なボリュームだったので気を付けてほしい。

とはいえ、自作PCマニアの人たちに強く刺さるようなPCパーツのバラ売りはどこのお店にもあまりなく、そういうちょっと変わった人たちにはそこまで魅力的ではないかもしれない。私もテーマパーク的な面白さはあったが、お目当ての商品はなく、結局特になにかを買うことはなかった。

あと、そこそこ大きい建物なのでコインロッカーがあるかな?と思っていたが、どうやらスーツケースが入るようなサイズのコインロッカーはないようで、もしここに訪れる際はどこかに荷物を預けてくることをおすすめする。

光華商場

三創生活園区のすぐとなりにある小汚いビルで、三創生活園区の近未来的なデザインと比べると明らかにディープな雰囲気が漂っている。実際入ってみるとそこまで汚いわけでも狭いわけでもないが、こちらは打って変わって店員が声をとにかくかけてくる。

1Fは割と既製品のPCなどのお店が多いようだったが、2Fから上はPCパーツの専門店や電子部品のお店なんかも多いようで、ある程度客引き耐性のある方なら楽しめそうな雰囲気はあった。ただ私は1Fで疲れ果ててしまいそのまま建物をあとにしたので詳細は不明。次回リベンジしてみたい。

八徳路電気街

こちらはこれまでと異なり、道沿いに商店街が広がっているような感じである。ただ普通の商店街とことなるのはほぼ全てのお店が家電やPC関連のお店であるという点。至る所にASUSの看板が掲げられており、合間合間にファストフードのお店があるというような感じである。

こちらについても正直個人店っぽいところに入る勇気はなかったのだが、中には日本で言うソフマップとかドスパラ的な、割と規模の大きなお店が何店舗かあり、今回はその中の一つである「原価屋」を目指した。(ソフマップのように、「ノートPC館」「PCパーツ館」みたいな感じで何店舗かあるので注意)

原価屋八徳現代店棹機/筆電 · No. 33號, Section 1, Bade Rd, Zhongzheng District, Taipei City, 台湾 100
★★★★★ · パソコンショップ

原価屋は残念ながら免税店ではなく(三創生活園区は免税対応している)、単純にそれだけで見ると行くメリットは薄いのだが、

  • そもそも台湾メーカーの製品は(ここに限らず)日本で買うより全体的に安価に購入できる
  • 原価屋はパーツの価格と在庫数をすべてサイトで公開しており、事前に予習していくことが可能(これがめちゃめちゃ良いシステムだった)
  • たとえばフリーランスエンジニアの方などはそもそも事業用に購入すると思うので、免税の対応はどうでもよかったりする

というメリットが大きく、ぜひ一度サイトを覗いて見て日本での販売価格と見比べてみてほしい。

私はASUSのProArt RTX4080 SuperというGPUを使っており、このデザインに惚れて他のパーツもProArtで揃えたいなと考えていた。

主にPCケース、マザーボード、簡易水冷クーラー、あと実は日本未発売のマウスあたりが気になっていたのだが、流石にPCケースは大きすぎるので持ち帰りを考えて断念するとして、以下の3点を探していた

ProArt Z790-CREATOR WIFI

ProArt Z790-CREATOR WIFI|マザーボード|ASUS 日本
Intel<sup>&reg;</sup> Z790 LGA 1700 ATX Creator マザーボード、PCIe<sup>&reg;</sup> 5.0、DDR5対応、Thunderbolt™ 4 (USB4<sup>&reg;</sup> 準拠)、10Gb & 2.5Gbイーサネット、WiFi 6E、4つの M.2 スロット、最大 60W のQuick Charge 4+付のフロントパネル コネクタUSB 3.2 Gen 2x2を搭載

光らない、おしゃれなマザーボード。

今使っているのが本格水冷専用のマザーボード(AsRock Z690 AQUA)で、性能には満足していたもののメンテナンスなどが不便だったこともあり買い替えるならこれかなと思っていた。

ProArtシリーズだとZ790以外にZ890とX870Eもあるが、13900Kを使っていてわざわざ評判の悪いCore Ultraに変えるメリットもないし、Ryzenについては9950X3Dを買うか結構悩んだのだが、流石に金がかかりすぎる割にスペックの向上幅が小さそう(最近はもう高負荷なゲームをやることも減ったので3D-Cacheの恩恵も小さそう)ということで、今使っているCPUを流用できるZ790を選んだ。まああと数年は現役で使えるだろうし、一軍でなくなってもサーバーなどで使い道はあるでしょう。

昨年10月くらいまでは新品の在庫も多く、日本のAmazonでも6-7万円程度で買えていたようなのだが、1世代前のマザーということもありそれ以降はまともなお店では販売が終了してしまい、国内で入手しようとすると10万円以上のプレミア価格になってしまっていた。

それがさすがの台湾、13990TWDで販売されている。残念ながら円安の影響で1TWD=4.4円くらいではあるが、それでも日本円で62000円弱。10月以前の最安値よりもちょっと安いくらいで買える。(そもそも今日本で買おうとすると10万円コースなのでそれと比べると半額近くである)

ProArt LC 360

ProArt LC 360|Cooling|ASUS Global
The ProArt LC 360 blends advanced tech with a sleek design. An illuminated meter provides real-time system stats, in line with ProArt’s minimalist style for quick info.

こちらもスタイリッシュな見た目の120mm x 3連の簡易水冷キット。しかも「Alphacool Apex Stealth Metal Power fan」という、これまたおしゃれな金属製の120mmファンが3個一緒についてくる。

本格水冷を辞めたかったので簡易水冷にする意味でもぜひ買いたかったのだが、140mm x 3連のLC420というモデルもあり、かなり悩んだ。

本来はこのあと日本に帰ってProArtシリーズのケース(PA602)を買う前提で、冷却性能を考えてLC420にしたかったのだが、そもそもPCを置いているラックのサイズ的にPA602は無理そうということがわかり、今のPCケース(や、今後買い替える先のケース)に確実に入るこちらのモデルにした。

こちらも日本だと若干の転売価格的なものもあって60000円前後してしまうのだが原価屋だと7490TWD = 33000円程度で購入できた。

ちなみに、Alphacool Apex Stealth Metal Power fanは見た目は重厚感がありめちゃめちゃよいのだが、肝心の冷却性能は実はそこまで高いわけではないようで、冷却を目的とする人であればNoctuaのファンに変えるとかしたほうがよいかも。(まあ冷却を目的にする人はそもそもこれは買わない気もするが)

ProArt Mouse MD300

ProArt Mouse MD300|Mice and Mouse Pads|ASUS Global
ASUS ProArt Mouse MD300 is the first mouse that works with ASUS Dial, allowing creators to make quick and precise settings adjustments.

レビューを見る限りかなり評判は悪いのだが、ProArt信者としてはぜひ一個コレクションしておきたいマウス。ただし日本未発売で、買うとしてもかなりのプレミアが乗っかってしまう。

ただこちらは発売が数年前で、台湾国内でも店頭在庫はほとんど無いようだった。原価屋はそもそもPCパーツショップなので無いのはわかるとして、三創生活園区内のASUSのフラッグシップショップにはあるんじゃないかと期待して行ったのだが、全然見当たらない。

ネットでは購入できるようだが、残念ながら店頭で購入することはできず、メルカリに流れてくるのを待ちつつ、いざとなったら個人輸入でもしようかなと思っている。

とまあマザーボードと簡易水冷を買うつもりで、あらかじめ原価屋のサイトで2つをカートに入れた状態のスクリーンショットをとっておき、原価屋の店員さんに見せながら拙い英語で「これを買いたい」と伝えると、商品を集めてきてくれた。

こういった外国人の対応にも慣れているのか、スマホの翻訳機能を駆使しながら細かく保証に関する説明(とはいえ使うことは無いと思うが)をしてくれたり、頼んだわけでもないのにきちんとマザーボードを開封してピンヘッダの状態確認をさせてくれたり、会話こそないが非常に気持ちの良い接客をしてくれた。

マザーボードと簡易水冷合わせて21480TWD(5%の消費税込)。クレカで買うと2%上がる?みたいな話を聞いていたのだが流石に10万円近い現金を持ち歩くのは気が引け、まあ2%ならいいかとクレカで購入することを伝えると、電卓を叩き出す店員。

2%乗せた金額が出てくるのかな?と思っていると、なぜか電卓には「21000」の文字が。うーん?なんで480TWD安くなってるんだ?

もしかしたらセット割引とかセール価格とかあったのかもしれないし、あるいはそもそも値切り文化とかがあるのかもしれないが、いずれにせよ理由がわからない以上、好意で端数をおまけしてくれたと解釈することにした。なんかそっちのほうがより嬉しいし。

というわけで、日本で今買うと16万近くするセットが台湾だと90000円ちょっとで買うことができ、とてもホクホクな気持ちで日本に帰ったのであった。

ちなみに他にも色々と見て回ったが、PCパーツに限らず台湾メーカー以外の製品(LogicoolやDell、Samsung、Xiaomiなど)は、円安の影響もあってか正直日本の価格とほぼ変わらないものが多かった。

個人利用かつ免税対象の店舗で買う場合は5%の消費税が戻るので多少お得かもしれないが、やはり台湾メーカーの商品を買う場合のメリットが大きすぎるのでもし大きな買い物を予定している場合は一度原価屋のページなどを見てみると良いかもしれない。(もちろん国内の代理店経由で買うことで保証なども使いやすくなるのでそれはそれで)

あわよくば航空券代を差し引いても日本で買うより安くなるケースもあるかもしれないし、そうでなくても買い物ついでに台湾観光ができると考えれば検討の余地はある気がする。